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  • 2011.06.16 Thursday
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災害医療のご紹介


皆さん、お久しぶりです。
ポリクリの合間にオニギリを食べながらブログを更新しております、M田@医学展です。
M田は現在精神科で研修中なのですが、患者さんとお話をしておりますと、東日本大震災のニュースで非常に気持ちが落ち込まれている方がいらっしゃる事を身を以て実感します。
あれから一月が経ちましたが、未だに完全な収束はしていない事は、皆さんご存知の事でしょう。
実際、札幌医科大学からも、医療チームが派遣されており、現在派遣中のチームは宮城を中心として展開しております。
このブログをご覧の方の中にも、被災をされた方、また、その関係者の方、そして、支援者の方がいらっしゃる事かと思います。
我々は大震災発生直後から、Twitterやこのブログの中でも、役に立ちそうな医学的知識を紹介してきましたが、もう一度「災害医療」とは何なのかを改めて見詰め直したいと考えております。
そんな訳で、今日は災害医療のお話です。

最初の問いは「災害医学とは何か?」と言う非常にシンプルなものです。
災害医療と訊くと「災害が起こって直ぐに行われる救命救急」と言ったイメージが強いかと思われます。(ドラマにもなっていましたしね。)
しかし、実際には、災害支援は「災害が起こった直後」だけでなく、その後も継続的な支援が必要とされており、それは医療も同じです。
つまり、災害医学とは、災害が起こった際に求められる救命救急活動だけでなく、その前段階としての予防や復興期の医療をも含む、非常に幅広いものと言えます。

ここで「災害サイクル」なる物を紹介させていただきます。
「災害サイクル」とは、自然災害(地震や津波、竜巻など)が起こった際に、どのような事がどのような時期に起こるかをまとめたものです。


「急性期」は災害が起こってから大凡1週間を指す言葉で、この時期に「生き残った方をいかに素早く、多く救出するか」が被害を最小限に食い止める鍵となります。
災害発生から3日間の間を「クリティカルタイム」と言い、負傷した人や家の下じきになった被害者が生きていられる最大限の時間と考えられています。
しかし、この時期は病院や医療従事者自体も被災し、非常に混乱し易い時期でもあります。
このパニックを避ける為には、普段からの準備が必要だと考えられています。

最初の3日の後も、当然行方不明者の救出/救助が続きます。
しかし、新たな生存者が見付かる事は、少なくなって来ます。
また、大きな傷を負った人達は病院での入院治療が続けられます。
この時期、生き残った方は避難所で様々な健康問題に直面します。
また、自らが非常に疲れていると言う感覚が弱くなり、体調を崩し易くなってくるので、注意が必要です。

被災した後、1週間から1ヶ月までの間を「亜急性期」と呼びます。
この頃には、持病を持った方の症状が悪くなる事が多くなります。
また、災害の事を突然思い出すなどの心の悩みを訴える方が多くなってくる時期でもあります。
この時期は、駆けつけてくれた様々な分野のボランティアが引き上げ始める時期でもあり、非常に大きな不安を抱える事となります。

その後から2、3年間を「復旧復興期」と呼び、避難所から仮設住宅へと移って行く方が多くなります。
ただ、誰にもみとられずに1人で亡くなっていく、いわゆる「孤独死」もこの時期に集中する事が知られており、被災された方同士が協力し合う事が重要だと考えられています。
この頃を過ぎると、段々と日常生活を取り戻し始める方が多くなって来ます。
しかし、災害はある程度の周期で繰り返し起こる事が知られており、その為の準備を行う事が求められます。
この期間を「静穏期」または「準備期」と呼びます。
そして、時間が経てば経つ程、次の災害が起こる可能性は高くなっていきます。
この時期を「前兆期」と呼び、災害に対する備えをした後は実際に災害が起きる前にその災害発生を予測して安全な行動をとっていくことが求められます。

このように、自然災害は「急性期→亜急性期→復旧復興期→静穏期・準備期→前兆期」と言う一連の流れで考える事ができ、それぞれの時期に見合った支援や対応が求められます。

今までの所でお気付きかも知れませんが、災害時、医療現場では災害サイクルの時期によって、その役割が変わっていきます。
つまり、状況によって臨機応変な対応をしなければならなくなります。
例えば、とても多くの患者さんが運ばれてくる「急性期」においては、できるだけ多くの方を助ける為に患者さんがどれだけ危険な状態かで優先順位を割り振り、その優先順位に従って治療し、状態が安定したら安全な場所へと搬送する必要があります。
また、亜急性期以降は心の問題などや持病を上手に管理する事が必要となります。

災害医療において「善意だけでは災害救護はできない」と言う言葉があります。
つまり、いくら善意や熱意があっても、十分訓練された技術や能力が無ければ、実際の災害現場では邪魔になるばかりで有意義な救護活動はできないと言う意味の言葉です。
また、医療救護活動に参加する際には、「自己完結型救護」を行うことを原則とします。
これは「医薬品や医療資機材だけではなく、水、食料、衣類、寝具などすべて持参し、自分のことはすべて自分でまかなう」と言う事です。
被災地に送られる支援物資はあくまで被災した方々の物であり、そう言った物に依存してしまっては、いくら医療行為を行おうと、迷惑をかけてしまいます。
つまり、医療支援と言うのは「被災された方にとって良い事をする」と「被災された方にとって悪い事はしない」と言う2つの原則によって成り立っていると言えるでしょう。

これは災害ボランティアに対しても当てはまります。
災害ボランティア活動は公にも「防災において、もはやボランティアはなくてはならない主体となっている」と考えられており、社会的に広く認められる存在となっています。
しかし、ボランティアと銘打って現地に入り、被災者の為に用意された食事に手を出すなどの、却って迷惑な行為も報告されています。
ボランティアもまた「自己完結」の原則、つまり「自分のことはすべて自分でまかなう」と言う原則を徹底する必要があるかと思います。
また、ボランティアの中には、個々人の専門性を活かした防災・救護活動と、 誰もができるボランティア活動がどちらも存在します。
前者の一例として、医療従事者以外に理容師や介護士、求められている物が何で、自分には一体何ができるのかを考えて、ボランティア活動に貢献される事が望ましいと言えるでしょう。

しかし、各地域で何が求められているかと言うのは、なかなか自分一人では判断できないのが実際です。
また、時にはニュースで報道される地域ばかりにボランティアが殺到し、ボランティアを持て余してしまう事や、逆に、本当に支援が必要な所にボランティアが行き届かないと言う事が考えられます。
よって、ボランティアとしての活動にご協力していただける場合、大きな組織に協力する形で活動していただくのが望ましいと思います。
厚生労働省が紹介しているボランティア関係のサイトとして、全国社会福祉協議会「被災地支援・災害情報ボランティア情報」(http://www.saigaivc.com)、助けあいジャパン(http://tasukeaijapan.jp)、東日本大震災支援全国ネットワーク(http://www.jpn-civil.net)があります。

また、日本赤十字社もボランティアや義援金、献血の協力を訴えています。
日本赤十字社(http://www.jrc.or.jp/)は非常に大きな組織であり、災害が発生した時には各地の赤十字病院を中心に、いち早く現地で災害医療を展開しています。
言わば、彼等は災害医療について熟知した集団だと言えるでしょう。

個々の善意を迷惑や無駄な物にしない為に、何かしらの協力をされる場合には、日本赤十字や他の団体を介していただければ幸いと思います。

いかがでしょうか?
災害医療に加え、密接に関係している災害ボランティアの話を展開させていただきました。
今日も原発のニュースが流れ、日本が今瀕している危機を雄弁に物語っております。
一日も早い復興を祈るばかりではなく、某かの協力ができたら素敵だとは思いませんか?

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